そういって軽く頭を下げて見せた。
「あの…先ほどは有難うございました。おかげで命拾いしました。」
「いえ…通達を無視した兵士たちが悪いのです。罰を与えたいと思います」
**「え
そう言ってバイオリンをイネ=ノの前に差し出して見せた。
「いいのかい?」
「はい」
返事をしながらイネ=ノに簡単なバイオリンの構え方を教えた。
**「そうです、はい、弓
「キク=カから一通り聞いたんだよ。
変わった名前の飲み物だなとは思ったんだが、花の種で作るお茶のことだったんだね。
**キク=カのところにたくさん植物があってたまたま似たような品種の
「どういうことですか?」
「最近君が現われた村周辺で奇病が発生していてね、
強い精神的ショックで心が壊れ失明する病気さ。
君も患者に会っているはずだよ。
**瞳の色が黒
「君がこの世界に来る事を知ってね、この子に探させたんだ。
うまく君を見つけることができたんでね、
*周辺の町に記憶喪失になった僕がいるから保護して宮殿につれてくるように伝えたんだ。
「君が戸惑うのも無理ないだろう。だがどこから話すべきか少々悩んでいてね。君をなるべく動揺させたくはないのだが…」
カップをソーサーへと置く。
**「なにか君から聞きたい事はあるかい?」
洗い立ての洗濯物のような、すごく安心できる優しい香りがした。
寒気はもうなく、体がぽかぽかと暖かく心地よい。
もう悪夢は終わったのだろうか?
**まだもう少しこのまま眠っていた
そこには入間が立っていたのだ。
服装はギリシャ神話に出てくる登場人物が着ているような布を体に巻いているし
身長も僕が知っているより気持ち高いような気もしたが、間違いない。
**
それはそれで嫌だ。
だったらとっとと逝かせてくれたほうがましに決まっている。
そもそも僕は嘘はついてないし侵略者でも魔術師でもない。
叩かれたって何も出てこない。**
手には鎖でできた犬の首輪のようなものを持っていた。
それを僕の首にはめる。
もう、抵抗する力もなかった。
ああ…そうだ。
**もうシャットアウトしてもいいんじゃないかと
寒い…体が凍えそうだ…。
いや…もう、凍ってしまったのかもしれない。
あまりの寒さに僕はゆっくりと目を覚ました。
目の前には冷たい石畳の床が広がっている。
**横になっ
夜の闇の中をどれくらい飛んだのだろうか。
「着きました」
の言葉にはっと我に返る。
意識が飛んでしまっていたらしい。
少し頭がぼんやりする。
**ゆっくりと顔を
「いたか?!」
男の怒鳴る声と共に足音が二階になだれ込む。
そして、僕らの部屋の入り口に兵隊のような格好をした男が一人入ってきた。
「いました!!こちらです!!」
**
僕は、そっとしゃがみこむとバイオリンケースを床に置き演奏の準備に取り掛かった。
正直これで治せるなんて思わないけれどカンナの笑顔を思い出す。
**僕が演奏中すごくはしゃいでいて、最後に
細い石造りの階段を上りきるとさらに細い廊下が建物の終わりまで続いていた。
両端には扉のない部屋の入り口がいくつもある。
**メグサに続いて僕、ジニア、アリノミ、そして玄関にいたホクシア
細い路地を暫く歩いたところで古びた長屋のような住宅がいくつも続く場所へ出た。
家の作りは玄関のドアがなく部屋の中は丸見えで、
**椅子に座ってこちらの様子を伺っている老人や、赤ん坊を抱
「待ってー!!」
そう叫びながら少年を追いかけた。少年は人ごみを縫うように走り抜けどんどん先へと進んでいく。
なんとか見失わないように少年の後を続く。
** やがて少年は小さな
広場にバイオリンの音色が響き渡った。
人々は聞きなれない音色に足をとめてその音楽のほうへ顔を向ける。
優しく甘い音色はその場の空気の色さえも変えていった。
**女の子も目を丸
しまった!一番聞いてはいけない質問をしてしまったようだ。
黙り込んでみるみるうちに女の子の表情は沈んでいく。
「ご…ごめん!あ…えと、お茶良かったらもっと飲んで良いよ!」
**