第七章:神様の僕(2-8)

そういって軽く頭を下げて見せた。
「あの…先ほどは有難うございました。おかげで命拾いしました。」
「いえ…通達を無視した兵士たちが悪いのです。罰を与えたいと思います」
「え?いや…それは…」
思わず困惑する。
確かに酷い目には合わされたけど罰を与えるほどではないような気がした。
するとイネ=ノがにこりと微笑んでみせた。
「君は優しいんだね。
君に権限をあげよう。どのような罰がいいかな?」
「いえ…あの……。
ああ…じゃあ今後から通達はちゃんと確認するようにって事でお願いします。」
イネ=ノとアキレスは顔を見合わせて笑いだした。
「さすがは…!
わかったよ。そうしよう。
いやぁ、彼も泣いて喜ぶと思うよ。
話によると君に極刑を言い渡されると思い込んで体重が激減したって聞いたものだからね。」
思わず苦笑いをして見せた。
確かに首をつられそうになったり頭を踏みつけられたりはしたが
一度は通達を受けて僕を宮殿近くへと連れてきてくれたのだ。
それに最後には分かってくれたみたいだし…。
別に何かの刑を与える必要は無いだろうし僕は人を裁けるほど偉くはない。
「そうそう、竹人。
明日キク=カに会ってもらおうとは思うのだがそれまで時間がある。
君の世界とは時間の流れ方も違うようだ。
君の世界での一日はこちらでは三分の一、つまりこちらでの一日は君の世界で三日間経つのと同じ長さだ。
だから時がたつのを長く感じるだろう。
どうだろう、明日まで時間があるから君の世界の事をゆっくり聞かせてはもらえないかい?」
再びソファに戻り腰を下ろすとイネ=ノは僕を見据えながら微笑んで見せた。
どうりでなかなか日が落ちなかったわけだ。
そうか…時間の流れが違っていたのか…。
「わかりました。
ぼくの中でお話できる範囲は限られていますがそれでもよければ」
僕もソファに腰を下ろす。アキレスは一礼すると僕の肩の上に止まっていた蝶と一緒に部屋を出て行った。

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